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正法眼蔵入門

880円(税込)
発売日2014年12月25日

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  • ISBN コード : 9784044089115
  • サイズ :文庫判    総ページ数: 240
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 9.5 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

死の直前まで20年にわたって書き継がれた大著『正法眼蔵』の核心を描く!

「みづからをしらん」として自己と世界を探求した道元。固定化された自己を手放せ。そのとき私は悟り、世界が目覚める。そしてそれこそが「有時」、すなわち「生きてある時」の経験なのだ──。『正法眼蔵』巻頭の「現成公案」巻を皮切りに全87巻の核心を明快に解説。「仏性」巻に道元思想の到達点をさぐる。道元の文章に即しながら、無常や因果など仏教の伝統的テーマを、存在・認識・言語という哲学的視点から鮮やかに読み解く。

著訳者プロフィール

●頼住 光子:1961年、神奈川県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部哲学科卒。東京大学大学院人文科学研究科倫理学専攻博士課程修了。山口大学人文学部講師・助教授、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科准教授・教授を経て、現在、東京大学人文社会系研究科倫理学科教授。専攻は日本倫理思想史。『道元─―自己・時間・世界はどのように成立するのか』(NHK出版)、『日本の仏教思想──原文で読む仏教入門』(北樹出版)、『道元の思想―─大乗仏教の真髄を読み解く』(NHKブックス)など著書多数。

目次

 文庫版まえがき
 はじめに
自己を知る
真理の探求と伝達
『正法眼蔵』とは

序章 道元思想の基底『正法眼蔵』巻頭、「現成公案」巻をよむ
一 修証の循環構造における自己と世界
俗人に与えた導きの書
自己をならう
自己をわするる
万法に証せらるる
自己と他己の身心脱落
二 修証のプロセスと分節構造
発心修行の時節と開悟成道の時節
迷悟の分節とその無化
分節、無分節、そして無分節を踏まえた新たな分節
三 迷と「さとり」の関係
迷悟一如
無分節の分節としての生死

第一章 真理と言葉
道元における二種の言語
真理をどう表現するか
「青山常運歩」という言葉
先入観の相対化

第二章 言葉と空
主観の構図──「一水四見」
「空」について

第三章 自己と世界
「青山常運歩」とはどのような事態か
自己と全体世界との関係

第四章 「さとり」と修行
「同時成道」について
「修証一等」とは何か
「空華」という存在
脱落と現成
俗世と「空」

第五章 時・自己・存在
「有時」について
自己と時
時の連続性と非連続性
時と修証

補論 道元の「仏性」思想
一 道元の「仏性」に関する基本理解──「是什麼物恁麼来」「悉有の一悉」「是何姓」
(1)『涅槃経』の「一切衆生悉有仏性」
(2)「是」と「何」──四祖道信と五祖弘忍との問答
二 仏性の顕現に関する表現──「仏性空」「仏性海」「無常仏性」
(1)「仏性空」の顕現と「無」
(2)「仏性海」という真理
(3)「無常仏性」と無窮の自己超越
三 龍樹「身現円月相」──「除我慢」「以表諸仏体」
四 「仏性」と時間──「時節」の「若至」「既至」「到来」

【コラム1】西洋哲学と道元禅──「エアアイグニス」と「性起」の間
【コラム2】道元の死生観
【コラム3】道元を変えた老典座との出会い

 巻末資料1 道元小伝
 巻末資料2 読書案内
 あとがき
 文庫版あとがき