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お盆には水路に灯篭を流して常世への道を示す、華舞鬼町は境界の街。
それはまるで明治大正の浅草。レトロな街並みを異形達が跋扈する不思議な街、華舞鬼町。狭間堂たちは常世を目指す魂が迷子にならないように、お盆の最終日に送り火として水路に灯篭を浮かべ道を示すのだ。那由多は狭間堂の手伝いでお使いの帰り、迷い込んだ小さな男の子の亡者がアヤカシに捕まるのを目撃し思わず後を追いかけるが、うっかりそのアヤカシのアジトに入り込んでしまう。隠れた物置の中から那由多は彼らの計画を知る。光に弱いアヤカシは、送り火を消してしまおうとしていた。壁越しに聞こえる声の中に円が混じっているのに気がつく。話を聞いた狭間堂は「本所七不思議」の一つである『送り提灯』を借りるため、那由多とふたりで錦糸町の報恩寺を訪ねる。狭間堂に言われて那由多が写真を撮ると、写っていたのは遠い昔の送り火の風景だった……。大人気シリーズ第三弾!著訳者プロフィール
目次
第二話 那由多と狭間堂の師
第三話 那由多と送り火
余話 狭間堂と海座頭の……