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怪談専門誌 幽 VOL.30

発売日
2018年12月18日
在庫なし
2,027
在庫がありません
JANコード
4910624877086
ISBNコード
9784041072677
レーベル
商品形態
ムック
サイズ
A5判
商品寸法(横/縦/束幅)
148 × 210 × 27.0 mm
総ページ数
424ページ
「平成怪談」大特集&京極夏彦「今昔百鬼拾遺 河童」完結!
本誌『幽』も、2004年の創刊から、今回で30号を数えることになりました。
思い返せば30年前の平成元年(1989)前後は、日本の怪談文芸やホラーにとって、大きな節目の時期でありました。
昭和63年(1988)には、本格的な国産モダンホラー/怪談文芸にいち早く先鞭をつけた小池真理子の長篇『墓地を見おろす家』が、平成元年(1989)には80年代伝奇バイオレンス興隆の双璧となった両雄の大作──菊地秀行『夜叉姫伝』と夢枕獏『上弦の月を喰べる獅子』が、平成2年(1990)には、稲川淳二『稲川淳二のここがコワインですよ』、木原浩勝&中山市朗『新・耳・袋』、常光徹『学校の怪談』という90年代以降の怪談実話シーンの方向性を決定づけることになる3冊が、そして平成3年(1991)には、90年代の日本ホラー興隆の呼び水となった鈴木光司『リング』、史上はじめてホラーで直木賞を受賞した高橋克彦『緋い記憶』、学術書でありながらその後の怪談文芸やホラー小説にも大きな影響を与えた高田衛『江戸の悪霊祓い師』……まさに、現代日本の怪談文芸は平成とともに始まった! と申しあげても過言ではないでしょう。
あれから30年──平成16年(2004)には史上初の怪談専門誌となった本誌が呱々の声をあげるなど、日本の怪談シーンは右肩上がりに、多様な展開を示して現在に至ります。
いま、平成が終わりを告げ、新たな時代が幕を開けようとするこの時期に、平成という時代に生まれた怪談小説・怪談実話・怪談漫画の全貌を展望する特集を企画した次第です。
 『幽』編集顧問 東 雅夫

目次

◆特集「平成怪談、総括!」
【巻頭グラビア】冨安由真インスタレーション 「くりかえしみるゆめ Obsessed With Dreams」より
【復刻】「牛の首」  小松左京
【日本怪談紀行】「牛の首」伝承の湖へ――山梨「四尾連湖」探訪記  東雅夫
【怪談巡礼印象記】比類無き霊場、富士  加門七海
【対談】綾辻行人×有栖川有栖  怪談でしか書けないこと
【小説競作】平成と怪談
澤村伊智   「鬼のうみたりければ」
黒史郎    「インカーネーション」
恒川光太郎  「平成最後のおとしあな」
【評論】角川ホラーの怪談  朝宮運河
【対談】冨安由真×牧野修  虚に浸食される現実 アートと文芸
【座談会】
千街晶之×門賀美央子×朝宮運河  平成の怪談実話展望
【インタビュー】
伊藤潤二  ワンアイデアで勝負
高橋葉介  新たな怪談の芽がある
【対談】
うぐいす祥子(ひよどり祥子)×押切蓮介  平成デビュー二人が語る怪談漫画
【評論】
平成怪談漫画の三十年――〈心理学化〉・〈日常化〉・〈ノンフィクション化〉・〈キャラ化〉  イトウユウ
【座談会】京極夏彦×宮部みゆき×東雅夫  怪談×絵本のあらたな潮流in平成
【年表構成】平成怪談文芸年表&『幽』の軌跡  東雅夫

◆特別企画『夜のリフレーン』刊行記念特集 皆川博子
【掌篇】皆川博子  「雪」
【鼎談】日下三蔵×千街晶之×東雅夫  皆川博子作品の魅力をめぐって

◆連載
〈怪談小説〉
京極夏彦   『幽』『怪』横断連載 「今昔百鬼拾遺 河童 最終回」
有栖川有栖  「濱地健三郎の事件簿10 姉は何処(ルビ:いずこ)」
山白朝子   「家政婦」
円城塔/訳 アーネスト・フェノロサ&エズラ・パウンド/著  「カゲキヨ ほか四篇」
〈怪談実話〉
中山市朗  「怪談狩り」
福澤徹三  「怖(ルビ:ふ)の日常」
小池壮彦  「日本の幽霊事件」
安曇潤平  「山の霊異記」
藤野可織  「私は幽霊を見ない」
〈怪談漫画〉
波津彬子 監修=山内麻衣子  「幻妖能楽集 紅葉狩」
諸星大二郎  「給水塔」
花輪和一  「つくし」
高橋葉介  「妻を捜しています」
押切蓮介  「おののけ! くわいだん部」
岸浩史  「むげん散歩」
〈怪談逍遥〉
南條竹則   「幽的民譚(ルビ:ゴーストリイ・フォークロア)」