フェルメールとそのライバルたち 絵画市場と画家の戦略

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フェルメールとそのライバルたち 絵画市場と画家の戦略

2,860円(税込)
発売日2021年11月17日
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  • ISBN コード : 9784044006785
  • サイズ : 四六判 総ページ数: 480ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 128 × 188 × 32.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

絵画市場で画家たちが散らす火花が、フェルメールの「静謐」を生み出した。

ライバル画家2000人、流通した絵画500万点。
繁栄と恐慌、戦争、感染症──。

不朽の名画を生んだ絵画の黄金時代は、
空前の競争市場〈レッドオーシャン〉だった!

17世紀オランダの絵画市場と
画家の生き残り戦略に迫る、美術史研究の最前線。

山口周氏 推薦 ──冷え込むマーケットと格闘した画家たちの「生き残り戦略」は、知恵と勇気を与えてくれる。

著訳者プロフィール

●小林 頼子:1948年生まれ。目白大学社会学部教授を経て、現在、同大学名誉教授。専門は17世紀オランダ美術史、日蘭美術交流史。82〜85年、ユトレヒト大学美術史研究所留学。87年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。『フェルメール論』(八坂書房)および『フェルメールの世界』(NHKブックス)の2著で第10回吉田秀和賞を受賞。『庭園のコスモロジー』(青土社)、『フェルメール全作品集』(小学館)、『グローバル時代の夜明け』(晃洋書房、共著)、『フェルメール 作品と生涯』(角川ソフィア文庫)などの著作がある。

目次

序章 静謐と喧騒

 フェルメールをめぐる二つの問い
 社会経済史からみるオランダ絵画
 市民社会と絵画市場の誕生──17世紀オランダ小史

第一章 浮かぶか、沈むか──17世紀オランダの絵画市場

 絵画市場の黄金時代
 アート・マーケットの美術史
 一年間に何人の画家が何点を制作していたのか
 何が価格を決めるのか

第二章 マーケットと対峙する画家たち

 フランドルに学ぶオランダ画家
 拠点としての聖ルカ組合
 マーケティングの場としてのアトリエ
 画商を兼業する画家
 パトロンとの人脈

第三章 絵画流通の五つのルート

 路上の「担ぎ屋さん」
 歳の市と祭り
 富くじ商品としての絵画
 絵画オークション
 専門の画商

第四章 風俗画の成立とアート・マーケット

 先導する画家、追随する画家
 風俗画の誕生と展開
 初期の風俗画──第一次英蘭戦争開戦まで

第五章 最盛期のオランダ風俗画家たち

 風俗画最盛期の20年
 ヘーラルト・テル・ボルフ──モダンな風俗画の先駆者
 ヘーラルト・ダウ──ライデン細密画派の始祖
 フランス・ファン・ミーリス──極まる細密画法
 ハーブリエル・メッツー──大都市に賭けた移住画家
 ピーテル・デ・ホーホ──アムステルダムへ移ったデルフト派
 カスパル・ネッチェル──テル・ボルフの弟子

第六章 アート・マーケットの中のフェルメール

 更新されるフェルメール研究
 画家の生涯
 作品と様式
 顧客とパトロン

第七章 似ていないが似ている──画家たちの生き残り戦略

 戦略としての「類似」│ 《手紙を書く女》
 参照関係のダイナミズム
 画家から画家へ
 オリジナルと贋作
 絵画理論のなかの類似と模倣

終章 未完のフェルメール

 退潮するマーケットのなかで
 ファン・ミーリス│ 翳りの時代のトレンドセッター
 黄金期の終わりとフェルメールの晩年

あとがき
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