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触れてはいけない領域がある。 だが、触れなければ真実は見えない――。
古代、魏の書に登場する邪馬台国は、優れた製鉄と酒造技術を誇りながらも消えた、謎の国だ。民俗学者・連丈那智に届いた「阿久仁村異聞」は明治時代に地図からも抹消された村の記録だが、邪馬台国への手掛かりとなる文書だった。だが、調査を始めた矢先、次々と不穏な出来事が襲いかかる――。歴史の壮大な謎に、異端の民俗学者と助手が意外な「仮定」や想像力を駆使して挑む。怒濤の知の奔流に圧倒される本格民俗学ミステリ!著訳者プロフィール
●浅野 里沙子:東京都生まれ。2009年、『六道捌きの龍 闇の仕置人 無頼控』でデビュー。他に『捌きの夜』『暗鬼の刃』『埋み火』『花篝 御探し物請負屋』『涅槃の月 おんな隠密闇裁き』がある。ミステリ作家・北森鴻氏とは公私におけるパートナーであった。
目次
第一章 廃村記
第二章 雅蘭堂
第三章 冬狐堂
第四章 鬼来道
第五章 箸墓抄
第六章 記紀考
第七章 解明譚
第八章 阿久仁
第九章 鏡連殺
終 章 卑弥呼
主な参考文献
あとがき
角川文庫版あとがき
解説 村上貴史