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一頭の馬が、 私たちの人生を輝かせる。『ともぐい』の直木賞作家最新作!
非凡な力を秘めながらも気性難を抱える競走馬・シルバーファーンが、騎手、馬主、調教師、調教助手、牧場スタッフ、取り巻く人々の運命を変えていく。
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北海道・日高の競走馬生産牧場で、「幻の三冠馬」と呼ばれた父馬・シダロングランの血を引いて産まれたシルバーファーン。
牧場長の菊地俊二は、ファーンの身体能力に期待をかけつつも、性格の難しさに課題を感じていた。この馬が最も懐いている牧場従業員のアヤが問題児であることも、悩みの種である。
馬主となったのは、広瀬という競馬には詳しくない夫人。茨城県・美浦にある厩舎を擁する二本松調教師とともに牧場を見学に訪れ、ファーンの購入を決めた。不安を覚える調教助手の鉄子(本名:大橋姫菜)に、二本松は担当を任せることを告げる。
ファーンは、俊二の兄である菊地俊基騎手とのタッグで、手のかかるヤンチャ坊主ではあるものの順調に戦績を重ねていくが、あるレースで事故が起こり……。
手に汗握る競走展開、人と馬の絆。
わずか数分のレース時間には、全てが詰まっている。
「――それでいいよ。最高だ、お前。」
一頭の馬がこんなにも、人生を豊かにしてくれる。
『ともぐい』で第170回直木賞を受賞した著者による、感動の馬物語!
著訳者プロフィール
目次
一 真昼の仔馬
二 嵐に似たもの
三 荒ぶる未来
四 歯車の軋る音
五 自由と選択肢
六 難関への挑戦者たち
七 春の落雷
八 走る理由
九 善き馬飼いたち
十 鎖を断つもの
十一 ターフの向こうへ