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人気作家が集結。様々な家族の歪みを描く、極上のミステリアンソロジー。
印刷所の職人・宗吉は、ある日、愛人との間にできた3人の子供の存在を妻に知られてしまう。激怒した妻から子供を愛人のもとに返してくるよう命じられるが……(「鬼畜」)。仕事ができず、辞職を迫られる捜査一課の刑事。夫の窮地を救うため、妻は隣人夫婦のトラブルからある恐ろしい計画を思いつく(「本末顛倒殺人事件」)。家族の抱える秘密が、時として背筋が凍る結末を呼ぶ。豪華執筆陣が集結。様々な家族の歪みを描く、傑作アンソロジー。著訳者プロフィール
●赤川 次郎:1948年、福岡県生まれ。76年『幽霊列車』でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。以後続々とベストセラーを刊行。「三毛猫ホームズ」シリーズ、「天使と悪魔」シリーズ、「鼠」シリーズ、『ふたり』『怪談人恋坂』『幽霊の径』『記念写真』他、著書多数。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞受賞、16年、『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞。
●小池 真理子:1952年、東京生まれ。成蹊大学文学部卒業。78年、エッセイ集『知的悪女のすすめ』で作家デビュー。89年『妻の女友達』で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞、21年に第25回日本ミステリー文学大賞を受賞。作品に『異形のものたち』『死の島』『神よ憐れみたまえ』ほか多数。21年に刊行したエッセイ『月夜の森の梟』も大きな話題となった。
●新津 きよみ:長野県生まれ。一九八八年『両面テープのお嬢さん』でデビュー。二〇一八年『二年半待て』で徳間文庫大賞を受賞。『女友達』『トライアングル』『ふたたびの加奈子』など多くの作品が映像化されている。主な著書に『ただいまつもとの事件簿』『セカンドライフ』『妻の罪状』『なまえは語る』など。
●松本 清張:1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。
●宮部 みゆき:1960年東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール読物新人賞を受賞。『龍は眠る』(日本推理作家協会賞)、『本所深川ふしぎ草子』(吉川英治文学新人賞)、『火車』(山本周五郎賞)、『理由』(直木賞)ほか著書、受賞歴多数。
●矢樹 純:1976年青森県出身。弘前大学人文学科卒業。実の妹とコンビを組み『加藤山羊』の合同ペンネームで2002年「ビッグコミックスピリッツ増刊」にてデビュー。12年、第10回「このミステリーがすごい!」大賞に応募した『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家デビュー。19年に上梓した短編集『夫の骨』が注目を集め、20年に表題作で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。その他の著書に『がらくた少女と人喰い煙突』『妻は忘れない』『マザー・マーダー』などがある。
目次
赤川次郎「本末顛倒殺人事件」
宮部みゆき「不文律」
小池真理子「花ざかりの家」
新津きよみ「おばあちゃんの家」
矢樹純「裂けた繭」
解説 若林踏