- ISBNコード
- 9784046604781
- レーベル
- MF文庫J
- 商品形態
- 文庫
- サイズ
- 文庫判
- 商品寸法(横/縦/束幅)
- 105 × 149 × 15.4 mm
- 総ページ数
- 328ページ
――たとえ演技だと、分かっていたとしても。
「ファーストキスを、舞台に捧げてはいけないよ」
天才女優と称されるわたし・氷上沙凪は、高校に通い始めた。高校とは、青春だ。台詞以外で口にしたことのないその言葉は、濁音を含んでいないのに舌がざらつくような不快な感じがする。だから、一人の放課後に突然押しかけてきた演劇部部長・日野朱莉に演技指導することも、乗り気ではなかった。
日野朱莉、先輩。脳裏にちらつく黒髪。犬の尻尾を幻視するようなポニーテール。一生懸命演技をすれば、必ず観客に届くと信じている無垢さ。日常に不慣れなわたしを見守る表情に、触れ合った時に香る、制汗剤の匂いまで。先輩は、不快だった。不快だった、はずなのに。
天才女優と称されるわたし・氷上沙凪は、高校に通い始めた。高校とは、青春だ。台詞以外で口にしたことのないその言葉は、濁音を含んでいないのに舌がざらつくような不快な感じがする。だから、一人の放課後に突然押しかけてきた演劇部部長・日野朱莉に演技指導することも、乗り気ではなかった。
日野朱莉、先輩。脳裏にちらつく黒髪。犬の尻尾を幻視するようなポニーテール。一生懸命演技をすれば、必ず観客に届くと信じている無垢さ。日常に不慣れなわたしを見守る表情に、触れ合った時に香る、制汗剤の匂いまで。先輩は、不快だった。不快だった、はずなのに。
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