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天女は舞い、天狗は駆け、狐狸が跋扈し、人の想いも空を翔ける――。
『遠野物語』が世に出てから二十余年の後――。柳田國男のもとには多くの説話が届けられた。明治から大正、昭和へ、近代化の波の狭間に集められた二百九十九の物語を京極夏彦がその感性を生かして語り直す。著訳者プロフィール
●柳田 國男:1875年兵庫県生まれ。1900年、東京帝国大学法科大学卒。農商務省に入り、法務局参事官、貴族院書記官長などを歴任。35年、民間伝承の会(のちの日本民俗学会)を創始し、雑誌「民間伝承」を刊行、日本民俗学の独自の立場を確立。51年、文化勲章受章。『遠野物語』は当初、自費出版の形で明治43年に刊行された。62年没