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没後100年にして初の新書版評論集、発刊!漱石夏目金之助の熱き言葉。
皮相的な社会に抗し権力に個人として対峙し、上からの道徳に抗い、イデオロギーを超える事を願った――。“時代に抗え”“国家に振り回されるな”“私を生きろ”!時代と漱石は格闘した。
「自己本位」は帝国主義に抵抗しつづけ、人種差別主義も偏狭な自己中心主義も乗り越える。
百年前の漱石の認識は、21世紀のこの国において、改めて現実的な方向性を示している。「現代日本の開化」「私の個人主義」等は、現在の状況に符合しているのだ。
著訳者プロフィール
●夏目 漱石:本名、夏目金之助。明治二十六年、東大英文科卒業。大学院へ進むとともに教職に就く。三十三歳の年にイギリスへ国費留学。帰国して後、朝日新聞社に入社してからは、「三四郎」「こゝろ」「行人」など、不朽の逸品を残した。神経衰弱と胃潰瘍により、大正五年十二月九日永眠。
目次
第一章 道楽と職業
一 夏目漱石は覚悟する――「道楽と職業」(1911・8・13)
第二章 現代日本の開化
二 皮相的な社会へ抗す――「現代日本の開化」(1911・8・15)
第三章 中味と形式
三 権力と個人は対峙する――「中味と形式」(1911・8・17)
第四章 文芸と道徳
四 上からの道徳に抗う――「文芸と道徳」(1911・8・18)
第五章 私の個人主義
五 イデオロギーを超える――「私の個人主義」(1914・11・25)
あとがきにかえて――漱石の抵抗と私の運動