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格差の拡大、資源・環境の限界。現代の難問を説くヒントは近代哲学にある。
大量生産、大量消費、大量廃棄を特徴とする現行の資本主義は、格差の拡大、資源と環境の限界を生んだ。この矛盾を克服する手がかりは、近代社会の根本理念を作った、ホッブス、ルソー、ヘーゲルの近代哲学にある。国家=権力の廃絶ではなく、人民権力=市民国家を成立させることで、万人の人間的「自由」を実現する。今、これをいかに国家間へ、世界大の原理へと拡大できるか、哲学的観点からわかりやすく考察する。近代哲学、とりわけヘーゲルは「自由の相互承認」という重要概念を示した。こうした観点から、誤解にさらされてきた近代社会の本質を明らかにし、巨大な矛盾を生む現代資本主義をどう修正すべきか、その原理を探る。ちくま新書『人間の未来 ヘーゲル哲学と現代資本主義』を改題。著訳者プロフィール
目次
第二章 近代社会の基本理念
第三章 近代国家の本質
第四章 社会批判の根拠
第五章 人間的「自由」の本質
終章 希望の原理はあるか