Fの記憶 ―中谷君と私―

out_of_stock

Fの記憶 ―中谷君と私―

660円(税込)
発売日2018年01月25日
ほしいものリストに追加
電子書籍をブックウォーカーで購入

利用可能なお支払方法

クレジット(3Dセキュア) 代引き コンビニ atone キャリア 楽天Edy モバイルSuica Amazon Pay
  • ISBN コード : 9784041063439
  • サイズ : 文庫判 総ページ数: 256ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 10.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

あなたが忘れられない。でも、誰もあなたを知らない。再生と光の物語。

誰も本当の名前を思い出せない、不思議な表情をしたただFと呼ばれるとらえどころのない少年。シューズメーカーのお客様係に勤める43歳の容子は、不良品のクレームを会社が隠ぺいしようとしていることに気がつく。どうすべきか迷った容子は、ふとFだったらどうするだろうと自問する。若いころ悪だった43歳の悦史は、解体業を営む今も高校の頃リンチに遭わせたFの発した言葉に捕らわれていた。老舗の茶商で社長を務める41歳の有輔は、25年前淫蕩な母をナイフで刺そうとした自分を押しとどめたFの一言を思い出していた。目撃談のように語られる、それぞれの人生に立ち会うFの記憶。それは今も深く心の奥底に生きている。誰も彼のことを詳しくは知らない。そして、最終章で描かれる本当のFの視点……。ミステリアスな構成から紡ぎだされる陰から光に、喪失から再生へ、一歩踏み出す人の背中を押してくれる一筋の光のような物語。

著訳者プロフィール

●吉永 南央:1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

目次

第一話 黒いチューリップ
第二話 右手
第三話 夜明け前に
最終話 時
解説 吉田伸子
最近チェックした商品