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近現代フランス文学史上、もっとも美しく、もっとも危険な小説!
◆享楽的で退廃的なムードが漂う第1次大戦後のパリ。高等中学に通うポールは、憧れの男子生徒ダルジュロが投げつけた雪玉で大けがを負ってしまう。◆同級生のジェラールがポールを家まで送っていくと、そこには、美しく奔放な姉エリザベートがいた。ポールとエリザベートは、社会から隔絶されたような「子供部屋」で、ふたり一緒にくらしているのだった。◆エリザベートと「部屋」の魔力に惹かれたジェラールは、その日から、ふたりのもとへ足しげく通うようになる。◆そこへ、ダルジュロにうりふたつの少女アガートがあらわれ、運命に吸いよせられるように4人の共同生活がはじまる。◆同性愛、近親愛、男女の愛。さまざまな感情が交錯するなか、4人はまだ幼く未熟であるがゆえに、たがいに傷つけあうことしかできない。◆やがて、ポールとアガートが強く惹かれあっていることを知ったエリザベートは……!◆20世紀のフランスで天才芸術家の名をほしいままにしたジャン・コクトーの小説を、西洋画家・東郷青児が美しく鋭い筆致で訳しだした名作。著訳者プロフィール
●東郷 青児:(1897年(明治30年)4月28日 - 1978年(昭和53年))日本の洋画家。10代で画壇デビュー。1921年ヨーロッパへ渡り、フランスでピカソ、藤田嗣治らと交流する。1928年帰国後は、画家、デザイナーとして活躍するかたわら、翻訳やエッセイなど著作にも活動の場を広げた。東郷訳によるジャン・コクトーの『怖るべき子供たち』が日本で最初に発表されたのは、1930年(昭和5年)のことである。
目次
解説
年譜
訳者あとがき