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科学と文学を調和させた独自の随筆集。「春六題」「簑虫と蜘蛛」等39篇。
「このごろはしばらく「世界の夕凪」である。いまにどんな風が吹き出すか、神様以外には誰にも分りそうもない」(「夕凪と夕風」)。初期から晩年まで、季節を主題にした随筆作品を歳時記風に掲載。生きる世界を俳諧に見出し、科学と融合させた独自の短文集。文学的随筆の代表作として著名な「団栗」「竜舌蘭」をはじめ、夏目家の文章会以前の「祭」「車」「窮理日記」「凩」等、全39篇を収録する。解説・角川源義、竹内薫著訳者プロフィール
目次
春六題
簑虫と蜘蛛
雑記帳より
五月の唯物観
竜舌蘭
やもり物語
花物語
小さな出来事
芝刈
さまよえるユダヤ人の手記より
夏
烏瓜の花と蛾
涼味数題
夕凪と夕風
藤棚の蔭から
疑問と空想
家鴨と猿
物売りの声
海水浴
祭
車
窮理日記
鴫つき
球根
秋の歌
颱風雑俎
凩
団栗
森の絵
病院の夜明けの物音
凍雨と雨氷
藤の実
追憶の冬夜
枯菊の影
年賀状
新年雑俎
相撲
歳時記新註
解説・角川源義、竹内薫