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ハードモードの異世界さえも、彼には温すぎた。
既に終わってしまった世界、エンドベイル――。人が魔族に敗北したこの世界では、異世界から人間を召喚しては無残に殺戮されるデスゲームが日々、繰り広げられていた。そして今回も現代から何も知らない人々が集められたのだが、そのなかに偶然、紛れ込んだ一つの異分子――「俺が今この瞬間に、運営者であるお前を殺したら、ゲームは終わるのか?」かつては裏社会で《調整者》と呼ばれていた高校生、凪平凌真。社会の均衡を保つための存在、危険因子の抹殺、殺し屋専門の殺し屋だった彼は状況を理解し密かに微笑む。「少しは愉しむことができそうだ」決して覆るはずのなかった人類と魔族の力関係は、やがて崩れ始める――。