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日本人は葬儀を通じて、いかに死と「あの世」に向き合ってきたのか?
弔いをめぐる民俗には、歴史の中で伝えられてきた生と死の思想がひそんでいる。古代天皇や中近世の葬送儀礼、生死の境界における「米」「火」「石」の意味、盆の行事や花いちもんめ、便所の神さま伝承の背後にある他界への憧憬。死という絶対に、日本人はどのように向き合ってきたのか。私たちは、なぜいま葬儀と墓をめぐる変化と混乱の中にいるのか。柳田國男や折口信夫の問いを継承し、新たな時代の医療や死生観に接続する民俗学。著訳者プロフィール
目次
1 葬儀の深層
一章 葬送儀礼
二章 米の霊力
三章 火とケガレ
四章 生と死と水辺の石
2 葬儀の歴史
一章 古代天皇の葬送と殯宮
二章 平安貴族の葬送儀礼
三章 中世の葬儀
四章 近世の葬送習俗
3 他界への憧憬
一章 盆に来る霊
二章 人を神に祀る風習
三章 儀礼と他界観
四章 花いちもんめ
あとがき
文庫版あとがき