あわのまにまに

あわのまにまに

1,870円(税込)
発売日2023年02月22日

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  • ISBN コード : 9784041121566
  • サイズ : 四六判 総ページ数: 320ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 128 × 188 × 21.5 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

どれだけの秘密が、この家族には眠っているんだろう――

どれだけの秘密が、この家族には眠っているんだろう――
「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?
2029年から1979年まで10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちをとりまく真実。

2029年、韓国からきた兄の家出、おばあちゃんのお通夜で通常運転のママ。2019年、クルーズ船で一緒になった夫婦と年若の青年。2009年、クリスマスの夜のダイヤの指輪、1999年、ノストラダムス後も終わらない世界で「ママは、パパが死ぬのを待ってたんじゃないか」と言った幼なじみ。1989年、親友からその亭主の死を知らせる電話。1979年、おなかの中の三ヶ月になる命。

生き方、愛、家族をめぐる、「ふつう」が揺らぐ逆クロニクル・サスペンス。



〈世相をえぐり取る全6章〉
1 二〇二九年のごみ屋敷
2 二〇一九年のクルーズ船
3 二〇〇九年のロシアンルーレット
4 一九九九年の海の家
5 一九八九年のお葬式
6 一九七九年の子どもたち

著訳者プロフィール

●吉川 トリコ:1977年生れ。2004年「ねむりひめ」で〈女による女のためのR-18文学賞〉第3回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『流れる星をつかまえに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

目次

〈ある家族たちの軌跡をたどる全6章〉

1 二〇二九年のごみ屋敷
――二十三歳上の兄は、十八歳のとき日本国籍を選んで韓国からやってきた。おばあちゃんのお通夜でも、ママは通常通り。うすうす気づいていた。うちの家族はふつうとはちがう。

2 二〇一九年のクルーズ船
――クルーズ船で一緒になった、私たちの子どもと言っていいぐらいの年齢の夫婦。新婚旅行だというのに、さらにもうひとまわりもふたまわりも年若の青年が同行していた。

3 二〇〇九年のロシアンルーレット
――うちのおねえちゃんは変わってる。クリスマスの夜遅くに帰ってきて、ダイヤモンドの指輪を餃子で包んで食べようとするぐらい。そして私もおねえちゃんも、ママの掌の上で踊らされている。

4 一九九九年の海の家
――ノストラダムスなんてあるわけないって思ってはいたけど、ほんとに世界は終わらなかった。海の家でバイト中、幼なじみの彼女は「ママは、パパが死ぬのを待ってたんじゃないか」と言った。

5 一九八九年のお葬式
――「あの人、死んだって」。親友から、その亭主の死を知らせる電話があったのは日付の変わるころだった。職場で出会い、結婚も出産も同じ年の親友。姉妹のようになんでも分けあった。

6 一九七九年の子どもたち
――シャネルが死んだ年に、私たちは出会った。彼女が結婚するなら私も結婚するし、彼女が子どもを産むなら私も子どもを産む。そう決まっているから、そうしなければならないことだった。
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