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魔物の愛には溺れるような罠がある――少女と魔物のいびつで唯一の主従契約
当代随一の退魔師《聖女》エマには秘密がある。それは、魔を祓う身でありながら、強力な魔物・クロエと「契約」していること。幼い頃魔物に襲われたエマは、クロエを召喚し生き延びた。以来、自分を「姫さま」と呼んで嬉々として世話を焼くクロエと、いびつな主従関係を築いてきた。孤独なエマにとって、クロエの重く深い愛は、時に魅惑的な毒のようだ。
人々を襲う黒い魔獣、死を呼ぶ葬送のワルツ、母の腹に宿ったまま生まれない赤子。エマは今日もクロエを従えて退魔に向かう――消えた妹を捜し求めて。
==登場人物==
エマ
《聖女》と名高い、当代随一の退魔師。
クロエと「契約」し、その力を使って魔を祓っている。
「いつも言っているけど、余計なことは何もするな」
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クロエ
千年を生きる高位の魔物。
エマを溺愛し、身の回りの世話を焼いている。
「憎らしくてとってもかわいい僕の姫さま」
目次
一章 聖女の来訪とリルカの魔獣
二章 聖女の休日と死の楽譜
三章 聖女の嘘と王妃の鏡
終章