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死を願ったわたしを救い出してくれたのは、契約でしかない婚約だった。
魔を呼ぶ《みにくい声》をもつことりは、声を封じられ幽閉されて育った。あげく妹の結婚の準備金のため贄として売り払われてしまう。
死の寸前ことりを救ったのは、魔祓いの名家の当主候補で妹の婚約者、馨だった。
「おまえの命は俺が買ってやる」
当主争いに魔を呼ぶ声を求められ、ことりは馨の新たな婚約者となった。
馨に声の封じを解かれ、外の世界に出たことり。
馨のやさしさを知るほど、彼の過酷な運命に寄り添いたいと願うようになる。
馨も懸命なことりに惹かれていくが、当主を決する日が迫り――。
※紙書籍初版&電子特典として、書き下ろしショートストーリー【番外編 ことりの秘密フォルダ】を収録
詳細は紙書籍の帯、電子書籍の巻末をご確認ください
目次
一 贄の少女たち
二 火守の若君
三 魔除けのおしごと
四 梅苑の茶会
五 ローレライの歌
結 ことりと馨
番外編 おひいさまと金のピアス
番外編 桜の飾り結び